Claude CodeのVSCode拡張を使っていると、会話パネルがどんどん縦に伸びていきます。Bashの実行結果、Readで開いたファイルの中身、Grepの検索結果……。ターンが進むごとにログが積み重なって、肝心の「Claudeが何を言ったか」を探すのにスクロールが大変になります。
1年目のエンジニアだとなおさらです。Claude Codeに慣れていないと、ツールコールのログとClaudeの発言の区別が曖昧なまま画面を追ってしまい、「今どのファイルを直しているんだっけ」と迷子になりがちです。私自身、長い調査タスクを投げたあとに会話を巻き戻して確認する場面が多いので、このログの長さは前から気になっていました。
QAエンジニアとして自動テストのログを長年見てきた身からすると、この感覚には既視感があります。実行結果のログが詳細すぎて、肝心の「テストが通ったか落ちたか」がすぐに見つからない。テストツールの世界でも同じ悩みは繰り返されてきました。Claude Codeでも結局は同じ話で、詳細と要約のどちらを主役にするかという設計の問題なのだと思います。
そこに2026年8月、VSCode拡張へ「Focus view」という設定が追加されました。ツール実行のログをたたんで、ターン単位の要約だけを表示するモードです。ショートカットはCtrl+Alt+F(MacはCtrl+Option+F)。今回はこの機能を、裏側の仕組みも含めて紹介します。
まず素朴な対処法を試していた
Focus viewが来る前、私がやっていた対処はシンプルでした。会話が長くなったら新しいセッションを開始する。それだけです。
これでスクロールの苦労は減るのですが、直前のやり取りの文脈が失われるという欠点があります。「さっきどういう指示を出したんだっけ」を確認したくてもセッションをまたぐと追いにくくなります。ツールログを消したいのに、会話の文脈まで一緒に消してしまっていたわけです。
Extended thinkingのブロックを畳んで表示する機能はもとからありましたが、あれは思考過程だけが対象で、BashやRead、Grepなどのツールコール自体は畳んでくれません。ツールログそのものを畳む手段がなかったのが本当の欠点でした。
Focus viewでできること
公式ドキュメントによると、Focus viewはコマンドメニューの「設定」セクションから有効化できる機能で、ツールコール・ツールの実行結果・thinkingを展開可能な行の裏に隠し、プロンプトとClaudeの返答だけを残します。releasebot.ioの2026年8月まとめでも「ツール活動をターンごとに1行の展開可能な行の裏に隠す」という表現で紹介されていました。
切り替え方法は3通りあります。
- ショートカット
Ctrl+Alt+F(MacはCtrl+Option+F) - コマンドパレットから「Claude Code: Toggle Focus view」を実行
- 会話パネルの「/」から開くコマンドメニューの設定セクションから直接トグル
切り替えるとどのセッションでも同じ設定が適用され、VSCodeを再起動しても設定は保持されます。1回オンにしたら、そのあとは意識せずに使い続けられます。簡単ですね。
実際に触ってみましょう
では実際に試してみましょう。適当な調査タスク、たとえば「このリポジトリのpackage.jsonを読んで、依存関係を整理して」とClaudeに指示を出します。Focus viewがオフの状態だと、ReadやGrepのツールコールと、その生の出力がそのまま会話パネルに流れていきます。長いファイルを読んだ直後は、その中身がそのまま何十行も表示されるので、次に何が起きたのか探すのに一苦労です。
ここでCtrl+Alt+Fを押してみます。すると、それまで縦に長く伸びていたツールコールの出力が、ターンごとに1行の要約バーへとまとまります。「〜と表示されたら成功」というほど明確なメッセージが出るわけではありませんが、会話パネルの見た目が一気に短くなったら切り替わった合図です。もう一度押せば元の状態に戻るので、ログを全部見たいときと要約だけでいいときを気軽に行き来できます。
要約バーはクリックすれば展開できるので、「あのときClaudeは具体的に何を実行したんだっけ」と気になったら、そこだけ開いて確認すればOKです。普段はたたんでおいて、必要なところだけ開くという使い方が現実的でした。
畳まれても迷子にならない工夫
Focus viewをオンにしても、Claudeの最新のTo-Doリストは畳まれずに表示され続けます。Claudeが質問を投げかけている最中は、その質問の文脈テキストも隠れません。「今何を待たれているのか」「今何をしようとしているのか」までは畳まないよう作られているようです。地味な配慮ですが、これ、意外と使えます。
裏側の仕組み:ターン単位の要約とthinkingの表示
では中身がどう動いているのか見てみましょう。Focus viewは会話全体を一律に圧縮しているわけではなく、1ターンごとに要約行を作り、そこにツールコールとその結果をまとめて格納しています。展開すればいつでも中身を見られるので、ログを消しているのではなく、たたんでいるだけという理解で合っていそうです。
公式のリリースノートには、Focus viewの初期実装で「最新のTo-Doリストや保留中の質問の文脈、確定済みの回答まで畳まれてしまう」という不具合があり、それを修正した記録も残っていました。ここから、Focus viewは単純などのブロックも一律で畳むのではなく、「今読者が必要としている情報かどうか」を個別に判定しているとわかります。
もう1つ面白いのが、thinkingだけのブロックの挙動です。同じリリースノートに「thinkingだけの折りたたみは『Thought for Ns』と表示され、そのターンが完了すると再び畳まれる」という記述がありました。つまりClaudeが考えている最中は経過秒数付きの表示に切り替わり、考え終わるとまた1行に戻るということです。ツール実行中の状態を示す仕組みとして、今のところ公式に確認できたのはこのthinkingブロックの挙動でした。
普段Extended thinkingをオンにして使っている人なら、この「Thought for Ns」表示にはもう見覚えがあるかもしれません。Focus viewはこれと同じ発想を、ツールコール側の要約バーにも広げたものだと考えると理解しやすいです。ターンが終わるまでは経過を示し、終わったら1行にまとめて記録として残す。会話全体を通してこのリズムが繰り返される仕組みです。
正直に言うと、ここは断定できません
今回の見出しでは「実行中ツールのライブインジケータ」という言い方をしましたが、これは正確には裏取りしきれていません。公式ドキュメントで確認できたのは、thinkingだけの折りたたみが「Thought for Ns」という経過秒数表示に切り替わり、ターン完了で再び畳まれるという挙動だけです。Bash実行中やファイル読み込み中のツールコールそのものに、同じような実行中表示があるかどうかは、私が確認した範囲のドキュメントには明記がありませんでした。ここは今後の更新で追加検証が必要な部分として、正直に書いておきます。
また、この機能はClaude Code v2.1.221以降が必要です(Focus view自体は設定キーfocusViewとして存在し、初期値はfalse)。拡張機能の自動更新をオフにしていると反映が遅れることがあるので、動かない場合はまずバージョンを確認してみてください(私も最初は古いままで「あれ、出てこないな」と少し焦りました)。
使ってみた感想
実際にオンにしてみると、会話パネルの見た目がかなりすっきりします。長い調査タスクを投げたあとでも、ターンごとの要約行をたどるだけでどこで何をしたかが追えるので、スクロールで迷子になる感覚が減りました。ツールログを消してしまうわけではなく、必要なときに展開できるのも安心材料です。
特に助かったのは、複数のファイルを横断して調査させたときです。以前は「今どのファイルを見ているんだっけ」と会話パネルを何度もスクロールして確認していました。Focus viewをオンにしてからは、ターンの要約行に何をしたかがひとことで並ぶので、上から流し読みするだけで作業の流れを追えます。細かい出力を全部読まなくても、大枠がつかめるようになったのは想像以上に快適でした。
一方で、コードレビューのようにツールの出力そのものをじっくり読みたい作業では、逆に展開の手間が増える場面もありました。用途によってオンオフを使い分けるのが正解だと思います。私は普段オンにしておいて、細かく追いたいときだけCtrl+Alt+Fで一時的にオフにする、という運用に落ち着きました。
1年目のエンジニアがClaude Codeを使い始めるときも、最初からFocus viewをオンにしておくと会話が読みやすくなるはずです。Claude Codeの会話パネルの使い方についてはスラッシュコマンドのまとめ記事でも触れているので、あわせて読んでみてください。
ちなみに私はVSCode拡張だけでなくChrome拡張と組み合わせたフロント確認の運用や、複数エージェントを並行させるAgent Teamsの使い分けもあわせて試しています。Claude Codeまわりの機能追加はペースが速いので、追いかけるだけでも忙しいですね。
今回の記事は、releasebot.ioのまとめ記事だけを鵜呑みにせず、公式ドキュメントのリリースノートまで遡って確認しました。実利断定型のタイトルを付ける以上、実在しない挙動を書くわけにはいきません。おかげで「ライブインジケータ」という表現が正確には裏取りできていないことにも気づけました。地味な機能ほど、こういう確認をサボりがちなので気をつけたいところです。
Focus viewのように地味だけど効くアップデートは見逃しがちなので、今回のように一次情報を裏取りしながらまとめていこうと思います。使ってみた感想や、ツール実行中の表示について詳しい方がいたらコメントで教えてください。


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